不動産投資ノウハウ

アパートの消防設備点検を実施

アパートの大家になると、消防法に基づいて「消防設備点検」を実施しなければなりません。管理会社を利用している場合でも、こちらから確認しなければ「消防設備点検」について管理会社が手配してくれることはありません。そのため、点検の義務を認識していない新米大家さんも少なくないのではないでしょうか。
本記事では、実際に筆者が行った消防設備点検(消火器のみ)について、具体的な方法を解説します。

消防法による義務

消防法では、一定規模以上の建築物には、消防用設備等(消火器、火災報知器、スプリンクラー、非常用照明など)の設置が義務付けられており、これらの設備が適切に機能しているかどうかを定期的に点検する必要があります。

点検の種類と頻度

・機器点検(6ヶ月に1回以上):各設備の外観や動作確認など、機器が正常に動作するか
・総合点検(年1回以上):設備全体の機能を総合的に点検。
共同住宅の場合、3年に1回は消防署に報告義務がある。

消火器などの点検を自らできる建物

「延べ面積が1,000㎡未満の防火対象物」は、自己点検でも可能です。

管理会社に相談

恥ずかしながら、消防設備点検の義務について、アパートを購入してしばらくは知りませんでした。「どうやら消防設備点検の義務があるらしい」とネットの情報で知り、1棟目のアパートの管理会社に相談したところ、次のような回答がありました。

「消防設備点検ですか。確かに法律では6ヶ月に1回点検することになっていますよね。まあ、でも6か月の1回の点検を律義にやっているオーナーさんは、あんまり聞いたことないですね。大きな声では言えませんけど」

調べたところ、筆者のアパートでの消防設備点検は、「消火器」のみが対象であることが分かりました。その時は、「新築で購入して1年も経ってないし、管理会社もああいっているから、まあ、いいか」と先延ばしにしてしまいました。

2年目の反省

月日は流れ、1棟目アパートの購入から2年近くが経過し、ふと、「消防設備点検」について何も対応していなかったことに気がつきました。
ネットで検索してみると、「消防署による立入検査(査察)」が行われることもあり、また、万が一火災が起こってしまった時に、消防設備点検が適切に行われていなかった場合には、大家の責任が問われるという記事も目にしました。
責任云々はさておき、人の命にも係わることなので、消防設備点検はちゃんとやっておかないとマズイなと心を入れ替えました。

外注せず、自己点検することに

1棟目とは別の管理会社さんに問い合わせたところ、その管理会社で契約しているオーナーは2割くらいの人が管理会社経由で消防設備点検を実施しているとのこと。料金相場は、1回の消防点検が1万円程度です。
筆者は、同じエリアに2棟所有しているので、1回のコストは2万円です。まだ新しい消火器の点検だけなら、自分でやれるかと思い、経費を節約して自己点検することにしました。

自己点検のやり方

消防庁が公表しているパンフレットにそって自己点検しました。
消防用設備等点検報告を自ら行っていただくために(PDF:1,369KB)

消火器の点検用のフォームはWordPDFでダウンロードできます。

その他、今回は使いませんでしたが3年に1度の報告の際には「消防用設備等点検結果報告書」を提出する必要があり、各種様式は東京消防庁のウェブサイトからダウンロードできます。

消火器点検の実施を終えて

パンフレットの指示に従い、消火器をチェックするのに必要な時間は5分程度もあれば十分でした。まだ、新品同然で劣化も見受けられませんでした。とりあえず、消火器の製造年月日やメーカー、型番等はメモしておきました。使用期限は10年間でした。
定期的に物件を確認した方が良いかと思いますので、今後は物件確認した時にはついでに消火器の点検も行いたいと思います。