不動産の税務

【法人】新築アパート取得初年度の減価償却費の計算方法

法人で新築木造アパートを取得した場合の初年度の減価償却費の計算方法について解説します。

1.建物の取得価額を22年で割る?

法人税法上、新築木造アパートを使用できる期間(耐用年数)は、22年間と決まっています。また、毎期、減価償却費を計上できる金額は、建物の取得価額を22年で割った金額となります。

建物の取得価額が50,000,000円の物件の場合、毎年の減価償却費のイメージは以下の通りです。

50,000,000円÷22年=2,272,727円です。

2.実際には償却率を掛ける

先ほどの計算はイメージです。

実際には、取得価額に所定の料率を掛けることで計算します。
22年の場合には、0.046です。
国税庁のウェブサイトより)

50,000,000円×0.046=2,300,000円です。

22年で割った金額と近似しますが、こちらが正しい計算結果です。

これは、単純計算だと1÷22年=0.0454545…となるのに対して、法人税法上は小数点3位未満切り上げにより、0.046で計算することによる差異です。

3.端数は切り捨て

減価償却費の計算の際に発生した端数は切り捨て計算するのが一般的です。
法人税法上は、端数処理に関して明示されておらず、「この金額までなら減価償却費を計上してもよい」というルールになっているからです。

4.期中に取得の場合は、月割計算する

事業年度の途中で取得する場合には、減価償却費の月割計算をします。日割り計算はしません。

例えば、3月決算の会社が2月15日に先ほどの新築アパートを取得した場合には、2月~3月の2か月分の減価償却費を計上できます。この場合の2月のように1ヵ月に満たない月については、1ヵ月でカウントします。

2,300,000円×2ヵ月÷12ヵ月(当期の月数)=383,333円(端数切捨)

5.入居募集を始めていないなら、償却できない

先ほどの例で、新築アパートを2月15日に取得したとしても、入居募集の開始が3月からである場合には、減価償却費も3月からスタートということになります。

これは、建物を取得しただけではなく、「事業の用に供している」必要があるためです。現実の入居が無くても、入居募集を始めていれば、事業の用に供したものと考えられるというのが国税庁の見解です。

6.設立初年度はややこしい計算が必要

設立初年度で、事業期間が12ヵ月に満たない場合には、少し複雑な計算が必要になります。

この場合、冒頭に紹介した料率「0.046」を月割按分して、まず料率を修正してあげる必要があります。

例えば、1月15日に設立した3月決算の会社とします。
この場合、第1期の月数は3ヵ月(1ヵ月未満の端数は1ヵ月とする)ですから、以下の通りの料率となります。

「0.046」×3ヵ月÷12ヵ月=0.012(小数点3位未満切り上げ)

この会社が、2月15日に50,000,000円の建物を取得した場合、第1期に減価償却費に計上できる金額は次の通りです。

50,000,000円×0.012×2ヵ月÷3ヶ月=400,000円

端数処理の影響で、先ほど4で計算した減価償却費よりも金額が少し大きくなっています。

参考:国税庁のウェブサイト
事業年度が1年に満たない場合の償却率等

編集後記

休日は1歳4か月の息子と一緒に、IKEA港北店に出かけてきました。
広大な店内には、テーマの異なるモデルルームがいくつも用意されており、探検が大好きな息子は大興奮で楽しんでいました。ある意味、子供用の遊戯施設に行ったときよりも楽しんでいました(笑)。
一番のお気に入りは、トイレのモデルルームでした(笑)。自宅だと衛生面から、あまり遊ばせてもらえないからでしょうか…。