不動産の税務

法人で不動産投資|法定調書の提出が必要?

不動産投資を行う場合、年に1回、「法定調書」というものを税務署に提出する必要があります。この記事では、一般的に法人化した大家さんが提出する「法定調書」について解説します。

「法定調書」とは何か

法人で不動産投資を行う場合に、以下の内容を税務署に報告しなければなりません。

大家さんに関係しそうなものは次の通り。

  • 不動産を購入した時に売主にいくら支払ったのか
  • 不動産の売買をした時に誰に仲介手数料をいくら支払ったのか
  • 不動産の所有権移転登記、抵当権設定などで司法書士等に報酬をいくら支払ったのか
  • 顧問税理士等への報酬
  • 給料を支払っている場合には、何人にいくら支払ったのか

これらの情報を報告するのが、「法定調書」です。
他にも、色々と報告を要する項目がありますが、詳しくは国税庁のウェブサイトでご確認ください。

 

不動産を購入した時に売主にいくら支払ったのか

「不動産を購入した時に売主にいくら支払ったのか」を報告する法定調書が『不動産等の譲受けの対価の支払調書』です。

売主の住所や名称を記載するほか、土地と建物の面積や金額、仲介会社の名前を記載する必要があります。

提出義務があるのは、法人と不動産業者である個人です。

不動産の売買をした時に誰に仲介手数料をいくら支払ったのか

不動産の売買をした時に誰に仲介手数料をいくら支払ったのかを報告するのが、『不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書』です。

こちらにも、先ほどと同様に仲介会社の情報の他、土地と建物の面積や金額などを記載しなければなりません。

提出義務があるのは、法人と不動産業者である個人です。

司法書士、顧問税理士への報酬の支払い

所有権移転登記等で司法書士等へ報酬を支払った場合には、『報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書』で報告します。

司法書士や顧問税理士が「個人」の場合、源泉所得税を翌月10日までに支払っているかと思います。

一方、相手先が司法書士法人、税理士法人の場合には、源泉徴収は不要です。

法定調書作成時の注意点としては、支払先が個人か法人かに関わらず、記載が必要であるという点です。つまり、司法書士法人や税理士法人への報酬の支払い情報についても報告が必要になる点に注意が必要です。

司法書士、税理士、土地家屋調査士、建築士、不動産鑑定士などに依頼した業務において、同一人物・法人に対する年間支払額が5万円を超える場合は、支払調書の提出が必要です。

個人でも上記に該当する場合には、提出義務があります(不動産業者ではない個人も含む)

法定調書合計表とは

これらの支払調書を作成したら、最後に『法定調書合計表』を作成しなければなりません。

『法定調書合計表』は、個別に作成した支払調書のサマリー表です。上記で紹介した支払調書を作成した後に、要約情報として作成します。

「法定調書合計表 書き方」などの検索ワードで調べると、記載例がヒットしますので、それを見ながら記入しましょう。

法定調書の動画解説

法定調書については、国税庁が動画でも解説していますので、リンクを貼っておきます。

法定調書の提出方法

e-Taxで提出するのが便利かと考えますが、私のPCではe-Taxが正常に作動しなかった為、書面で提出しました。

書類一式と返信用封筒(控え用)を同封して、所轄の税務署へ郵送しました。

「個人番号又は法人番号」は記入する?

法定調書には、支払先の個人番号」又は「法人番号を記載する欄があります。

法人番号」については、ネットで「会社名 法人番号」と検索すれば見つかります。

一方で「個人番号」については、ネットで検索するわけにもいきません。この点、国税庁の電話相談で確認したところ、以下の通りの回答を頂きました。

原則として、本人に個人番号を問い合わせて記入してください。
ただし、個人番号に関しては頑なに開示を拒む方もいらっしゃいますので、その場合にはその旨を社内記録として残し、支払調書はブランクでも構いません。

私の場合、個人の土地家屋調査士と司法書士に報酬を支払っていたので電話で問い合わせました。本音としては他人のマイナンバーなんて確認したくないです(ありがたいことに、快く教えていただけました)。

ちなみに、国税庁のウェブサイトでは以下の通り解説されています。

法定調書の作成などに際し、従業員等からマイナンバー(個人番号)の提供を受けられない場合でも、安易に法定調書等にマイナンバー(個人番号)を記載しないで税務署等に書類を提出せず、従業員等に対してマイナンバー(個人番号)の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることを伝え、提供を求めてください。

それでもなお、提供を受けられない場合は、提供を求めた経過等を記録、保存するなどし、単なる義務違反でないことを明確にしておいてください。従業員等との間でマイナンバー(個人番号)の提供の有無を判別できますので、特定個人情報保護の観点からも経過等の記録を行うことが望ましいものと考えられます。

なお、税務署では、社会保障・税番号<マイナンバー>制度に対する国民の理解の浸透には一定の時間を要する点などを考慮し、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載がない場合でも書類を収受することとしていますが、マイナンバー(個人番号)・法人番号の記載は、法律(国税通則法、所得税法等)で定められた義務であることから、今後の法定調書の作成などのために、今回マイナンバー(個人番号)の提供を受けられなかった方に対して、引き続きマイナンバーの提供を求めていただきますようお願いします。

(注) マイナンバー(個人番号)の提供を受けられない場合における、「提供を求めた経過等の記録、保存」は法令上の義務ではありません。「いつ提供を求め、その結果として提供を受けられなかった事実」を事後的に明らかにすることが可能であればよく、提供を受けることができなかった個別の事情までは記録する必要はありません。

法定調書の提出期限と罰則

法定調書は、報酬等を支払った翌年の1月31日が提出期限です。

未提出の場合は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科せられる可能性があります。

提出期限が過ぎてしまった場合でも、直ぐに罰せられることは無いですが、早急に提出するようにしましょう。

コラム

わが家では無印良品の脚付きマットレスを使用しています。
シングルベッドに大人1人、子供1人だとやや狭いので、2歳になる長男の為に、脚付きマットレス(スモール)を購入しました。

ベッドを連結して寝ているのですが、息子は夜中に目が覚めると私のベッドに入ってきます。
ついでに、枕も半分奪われてしまいます。

その為、せっかくベッドを追加購入したのに若干眠りが浅くなったり、身体が痛くなったりはするのですが、かわいいので全て許せてしまうという、親バカなコラムでした。