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マクドナルドは「ドナルドの息子」アイルランドの名前が面白い

ファーストフードでお馴染みの「マクドナルド」という有名な名前は、もともと「ドナルドの息子」という意味で使われていたということをアイルランド人から教えてもらいました。

ちなみに、ファーストフードの「マクドナルド」は、1937年にアイルランド移民2世のマクドナルド兄弟がホットドッグの屋台始めたことに由来します。

また、Apple社のパソコン「MacIntosh」も「トイッシュ(Toisich)さんの息子」という意味があるそうです。

アイルランド語とは?

アイルランドでは、多くの人が英語を母語としていますが、第1公用語はケルト語派のアイルランド語とし、英語は第2公用語とされています。

アイルランド語のイメージを持っていただくため、以下、例文を適当に引用してみました。

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アイルランド人と姓

アイルランドを含むケルト諸語圏の人々は、ヨーロッパで姓を利用するようになった最初のグループの人々といわれており、11世紀頃から姓を名前に使うようになりました。

最初の頃は、単純に父親の名前に「息子」を意味する「Mac」を足したものだったようです。例えば、アーサーの息子のダグラスの場合は、ダグラス・マッカーサーと名乗るということですね。

「Mac」に類似する意味で「O」という単語も頻繁に利用されていました。

「O」というのは、「孫」、又は「子孫」という意味のケルト語で、オニール(O’Neill)、オブライエン(O’Brien)、オサリバン(O’Sullivan)、オコナ―(O’Connor)という姓は比較的馴染みがあります。

戦争により土地が新しい一族の支配下に置かれるようになった場合、住民はしばしば自らの命と自由を維持するために新しい首長の名前を採用しました。

17世紀にアイルランドが英国の占領下になると、名字に「Mac」や「O」を入れることが忌避されました。というのも、当時アイルランド的な名前では職を得ることが非常に難しいという事情があったためです。しかし、19世紀になると再び「Mac」や「O」を冠した名字を名乗る人が増えてきました。

興味深いことに、いくつかの名字からは「Mac」や「O」が抜け落ちて使われるようになりました。アイルランドにおいて最も多い名字は「マーフィー(Murphy)」ですが、もともとは「Ó Murchadha」という名字でした。

この名字から、「O」が抜け落ちて、英語風の発音になったのが、「マーフィー」です。

マックの表記にも「Mac」と「Mc」の2つがありますが、特に相違はありません。アイルランドでは「Mc」の方が多く、スコットランドでは「Mac」の方が多いという傾向はあるようです。

アイルランド人の名前は分かりにくい?

かつて、マリリン・モンローはアイルランド系の名字Dougherty(ドハティ)を名乗っていました(配偶者の名字)。しかし、契約先である20世紀Foxは、アメリカ人に発音が難しいという理由で、その名前を使うことをあきらめざるを得ませんでした。

確かに、アイルランド系の人名は馴染みの無いものも多いです。例えば、Ciaraというのは女性の名前ですが、「キーラ」と読みます(キアラではない)。また、Sinéadというのも女性の名前で「シネイド」と読みます。

最近では、アイルランド系の俳優が、アイリッシュ名をそのまま使用するのが主流になってきているようです。例えば、Cillian Murphy、Saoirse Ronan、Ciarán Hindsなど。

カタカナ表記にすると、キリアン・マーフィー、シアーシャ・ローナン、キーラン・ハインズといった発音になります。

ついでながら、アイルランド語の名前を英語風に修正することを「Anglicized form of the Gaelic name」と表現します。

例えば、アイルランドの聖人に由来する名前「パトリック(Patrick)」は、アイルランド語表記だと「Pádraig」となります。発音は、「ポウドリグ」です。

英語の発音と異なるので日本人には発音が難しいですが、アイルランド人の知り合いがいれば、名前をアイルランド語の発音で呼ぶだけでも喜ばれそうです。