不動産の税務

不動産購入時に取得価額に含めるべき諸経費

不動産を購入した際発生する諸経費の多くは、支払った年度に経費に計上することができます。しかし、中には経費にすることができないものもあるので、要注意です。

不動産購入時に取得価額に含めるべき諸経費は?

賃貸用マンション・アパートの取得した場合、支払った年度の経費に計上できず、土地・建物の取得価額に含めなければならないものは、主に次の3つです。個人で購入する場合も、法人で購入する場合も同様の取り扱いです。

1.仲介手数料

不動産仲介業者に支払う仲介手数料は、土地・建物の取得価額に含めなければなりません。土地・建物の売買価格の比で按分計算します。建物の取得価額に含めた分は、減価償却により、時の経過に応じて経費計上されますが、土地の取得価額に含めた分は、土地を売却するまで経費にすることができません。

2.固定資産税及び都市計画税相当額の清算金

不動産を購入した時には、1月1日から不動産の購入時までの固定資産税及び都市計画税に相当する金銭を売主に対して支払う必要があります。

実質的には「税金」を支払っているので、会計上も「租税公課」などの科目で経費処理してしまいがちです。しかし、実際には税金では無く、土地・建物の取得価額に含めなければなりません。

3.免税事業者における建物消費税

居住用アパートなどを賃貸する場合は、消費税の免税事業者であるケースが多いかと思います。この場合、建物に掛かった消費税は税込処理することとなり、還付請求できないので、建物の取得価額に含めて減価償却していきます。
私は継続融資の為、全て取得価額に含めております。

不動産購入時に経費にできる諸経費は?

次に、不動産購入時に経費にできる諸経費は次のものがあります。
なお、法人税法上は「取得価額に算入しないことができる」という規定になっており、以下の項目を取得価額に含めることも可能です。

不動産取得税

都道府県に収める税金。忘れた頃に納税通知書が送られてくる。

登録免許税その他登記又は登録のために要する費用

次のような費用が経費にできます。

  • 所有権移転登記費用(司法書士報酬含む)
  • 抵当権設定登記費用(司法書士報酬含む)
  • 表示登記費用
  • 融資事務手数料

契約書に貼付した印紙代

不動産売買契約書や金銭消費貸借契約書に貼付した印紙代は、経費にできます。

安定的に利益計上するなら全て取得価額に含める

先ほどご紹介した経費のうち、「不動産取得時に経費にできる費用」は百万円単位で発生する場合も珍しくありません。不動産を取得した初年度において、「節税できる」というのは、多額の購入経費を経費処理できるからなんですね。

節税目的で考えると積極的に経費に落としたくなりますが、銀行向けの「キレイな決算書」作成を目的にした場合、取得価額に含め費用計上のタイミングを減価償却で平準化することにより利益を安定的に計上する方が良いかと思います。

コラム

お盆休みから胃の調子が悪かったので、近所の内科で人生初の内視鏡検査(胃カメラ)をしてもらいました。

ベッドに寝かされ、点滴用の注射を打ち、心電図のセンサーを指にはめられて否が応でも緊張は高まります。その後「眠くなる霧状のお薬」を口から投入されて、可動式ベッドに寝たまましばらく別室で休んでいてくださいと言われました。

目を閉じて2棟目として契約したアパートの名称をどうしようか考えていると、看護師から声を掛けられました。看護師からは術後の注意事項などを書いた紙を渡され説明を受けます。

「え、検査はこれからですよね?」
「いえ、もう終わりましたよ」

どうやら、寝ている間に検査が終わったようで、狐につままれた気分になりました。
検査の結果、ピロリ菌が原因かもしれないということが分かりましたが、その他は特に大きな問題もなくて良かったです。