新設法人において、社長個人が会社にお金を貸し付けることはよくあります。
この時、例えオーナー社長からの貸付であっても「金銭消費貸借契約書」を作成して貸付の内容を明示しておくことが重要です。
「金銭消費貸借契約書」は印紙税の課税文書に該当しますので、印刷した場合には収入印紙を貼付しなければなりません。
私も自分がオーナー社長で、従業員ゼロの資産管理法人に貸付を行っています。
貸付といっても、自分の財布から別の財布にお金を移動しただけという感覚なので、その行為に数万円の印紙税を収めるのは馬鹿らしく感じます。
この悩みは、「電子契約」にすることで一発解消します。
電子メールで契約を交わした場合、印紙税が非課税
国税庁のウェブサイトで、「契約書などを電子メールで送信した場合、課税文書を作成したことにはならないので、印紙税の課税対象にはならない」という趣旨の見解が示されています。
念のため、所轄税務署にも電話で以下の内容を確認したところ、この方法であれば印紙税法上の問題はないとの回答をもらっています。
- 社長から会社に対して貸付をする。
- 金銭消費貸借契約書は、印刷せずに社長から会社に対してメールで送付する。
- 当該会社には社長1人しかいないので、社長個人のメールアドレスから、会社の社長メールアドレスに対して契約書を送付する予定である。
電子メールで契約する時の記載内容
印刷せずに電子メールで契約を締結する場合、契約書末尾の「後文(こうぶん)」を変更することになります。
【一般的な後文】
本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙各自記名押印の上、各1通を保有する。
【電子メールで締結する場合の後文】
本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、甲乙合意の後電子メールにて授受し、各自その電磁的記録を保管する。
上記の後文に加えて、契約当事者の名前・住所を記載する欄には、電子メールアドレスも記載しておきましょう。